「親が元気なうちに、自宅の管理や売却のことを決めておきたい」「家族信託がよいと聞いたけれど、わが家にも必要なのか分からない」。家族信託の相談は、こうした迷いの段階からお受けしています。
司法書士事務所神戸リーガルパートナーズでは、家族信託ありきで話を進めることはしません。ご本人の希望と財産の状況をうかがい、遺言や任意後見で足りる場合はそちらをご案内します。家族信託が合う場合は、契約の設計から公正証書の作成、不動産の信託登記、始めた後のメンテナンスまでお手伝いします。
このページでは、当事務所のサポート内容、ご相談から契約・登記までの流れ、費用(税込)、ご相談の前に準備していただきたいことをまとめています。
家族信託が必要かどうかからご相談いただけます
ご本人の希望と財産の状況をうかがい、家族信託・遺言・任意後見のどれが合うかを整理します。事務所での面談のほか、オンラインでもご相談いただけます。
わが家に家族信託は必要?まずは目的から一緒に整理します
家族信託が必要かどうかは、財産の多さではなく「何のために、どの財産を、誰に任せたいか」で決まります。家族信託は、財産の管理や処分(売却など)を信頼できる家族に任せる仕組みです。判断能力が低下した後に備えるだけでなく、元気なうちから管理を任せたり、財産を引き継ぐ順番を決めておいたりと、目的に合わせて内容を設計できます。家族に財産を任せる必要がなければ、遺言や任意後見など、より手間の少ない方法で足りることもあります。
当事務所では、最初のご相談でご本人の希望と財産の状況をうかがい、家族信託を使うべきかどうかから検討します。家族信託を前提に話を進めることはしません。
家族信託を検討する場面の例
たとえば、次のようなご希望があるときは、家族信託が選択肢に入ります。
- 親が施設に入った後、空き家になった実家を売って費用に充てたい(当事務所の対応事例)
- 賃貸アパートやマンションの管理・修繕を、将来は子に任せたい(賃貸不動産オーナーの家族信託)
- 障害のある子の生活資金を、親が亡くなった後も計画的に渡せるようにしたい(親亡き後に備える家族信託)
- 自分が亡くなった後は配偶者に、配偶者が亡くなった後は自分の兄弟姉妹に、と財産を引き継ぐ順番を決めておきたい
どの場面でも、出発点は「ご本人がどうしたいか」です。ご家族が「こうしてほしい」と考えている内容と、ご本人の希望が同じとは限りません。最初のご相談では、まずご本人のお考えをうかがいます。
遺言や任意後見で足りる場合もあります
家族信託は柔軟な仕組みですが、契約の設計や始めた後の管理に手間と費用がかかります。目的によっては、遺言や任意後見(判断能力が低下したときに備えて、支援してくれる人と内容を元気なうちに契約で決めておく制度)のほうが合う場合があります。
- 亡くなった後に、誰に何を引き継ぐかを決めておきたい場合
- 介護サービスや施設との契約など、生活面の手続きを任せたい場合
- 財産を売却したり組み替えたりする予定がない場合
- 判断能力が低下した後も、自宅の売却や建替えを家族の判断で進められるようにしたい場合
- 賃貸物件の管理や修繕を途切れさせたくない場合
- 自分の次、その次まで財産を引き継ぐ順番を決めておきたい場合
- 特定の家族に、生活資金を長い期間にわたって分けて渡したい場合
遺言・任意後見・家族信託は、どれか1つを選ぶものではなく、組み合わせて使うこともあります。たとえば、自宅は家族信託で管理を任せ、信託に入れない財産は遺言で行き先を決め、生活面の手続きは任意後見で備える、といった形です。違いを詳しく知りたい方は「家族信託と遺言の違い」「家族信託と成年後見の違い」もご覧ください。どの方法が合うか迷う段階でも、ご相談いただけます。
家族信託でできること・別に備えること
家族信託でできるのは、信託した財産について、任された家族が契約で決めた目的に沿って管理や処分をすることです。一方で、信託に入れなかった財産や、介護・施設との契約といった生活面の手続きは、家族信託ではカバーできません。
家族信託のしくみ(委託者・受託者・受益者)
家族信託には3つの立場の人が登場します。親が自宅の管理を子に任せる例で見てみます。
- 委託者(例:親)
財産を預ける人。どの財産を、何のために、誰に任せるかを決めます
- 受託者(例:子)
財産を預かり、契約で決めた目的に沿って管理や処分をする人。預かった財産を自分の財産と分けて管理する義務があります
- 受益者(例:親)
信託した財産から利益を受ける人。認知症などへの備えを目的とする場合は、はじめは親自身が受益者になる形が基本です
自宅を信託すると、登記簿上の名義は子(受託者)に移り、信託であることもあわせて記録されます。ただし、子が自由に使ってよい財産になるわけではありません。子は契約で決めた目的のために自宅を管理し、そこから生まれる利益は親(受益者)が受け取ります。仕組みをもう少し詳しく知りたい方は「家族信託とは」をご覧ください。
家族信託だけでは備えられないこと
家族信託を組んでも、次のことは別に備える必要があります。
- 生活面の手続き
介護サービスや施設入所の契約などは、家族信託の対象外です。任意後見や、必要に応じて成年後見で備えます
- 信託に入れなかった財産
年金を受け取る権利のように信託できないものや、信託しなかった財産は、受託者が管理できません。亡くなった後の行き先は遺言で決めておく方法があります
- 受託者になる家族の負担
受託者は、財産の管理に加えて記録をつけ、受益者に報告します。何年も続くことがあるため、引き受ける家族の負担も考えて設計します
- 税金の検討
家族信託を組むだけで相続税が減るわけではありません。税金面の検討は別に必要です
家族信託のデメリットや、始める前に知っておきたい注意点は「家族信託のデメリットや注意点」で詳しく説明しています。
認知症と診断されたら、家族信託はもうできない?
認知症と診断されただけで、家族信託ができなくなるとは限りません。家族信託を始められるかどうかは、診断名ではなく、ご本人が契約の内容を理解し、自分の意思で決められるかどうかで判断します。
家族信託の契約では、どの財産を、誰に、何のために任せるのかを、委託者であるご本人が決めます。症状が軽く、こうした内容を理解して意思を示せる段階であれば、診断を受けた後でも契約できる場合があります。反対に、判断能力が失われた状態になった後は、新しく家族信託を始めることはできません。その場合の財産管理は、成年後見制度の利用を検討することになります。
「家族信託をしておけば、認知症になっても不動産を売却できる」という説明を目にすることがあるかもしれません。これは、判断能力があるうちに家族信託を始めておき、その後に認知症が進んだ場合の話です。認知症が進んでから家族信託を始められるという意味ではありません。
なお、成年後見を利用した場合も、自宅を売れなくなるわけではありません。ただし、ご本人が住んでいた自宅を売るには家庭裁判所の許可が必要です民法第859条の3。売却の理由がご本人のためになるかどうかが問われ、許可を得るまでに時間もかかります。
ご本人の物忘れが気になり始めた段階でも、早めにご相談ください。面談でご本人のお考えをうかがいながら、家族信託を進められるか、ほかの方法を考えるべきかを検討します。
当事務所の家族信託サポート
司法書士事務所神戸リーガルパートナーズでは、家族信託が合うかどうかの検討から、契約書の作成、不動産の信託登記、始めた後のメンテナンスまでをお手伝いします。
目的の整理と制度の比較
面談で、ご本人の希望、財産の内容、管理を任せたいご家族についてうかがいます。そのうえで、家族信託・遺言・任意後見のどれが目的に合うかを比べてご説明します。家族信託でなくても目的をかなえられる場合は、そのことをお伝えします。
信託契約の設計と公正証書の作成
不動産の登記事項証明書や固定資産の評価証明書を取り寄せます。あわせて、ご本人から委任状をいただいたうえで戸籍を集め、将来の相続人を確認します。そのうえで、信託する財産、受託者になる家族、ご本人が亡くなった後に財産を引き継ぐ人などを決め、契約書の案を作ります。
法律上は公正証書でなくても信託契約を結べますが、当事務所では公正証書で作成します。公証人がご本人の意思を確認して作るため、後から契約の有効性をめぐって争いになりにくく、信託口口座を開く金融機関から公正証書を求められることもあるためです。公証役場との打ち合わせは当事務所が行い、契約の当日も立ち会います。
信託登記と金融機関との打ち合わせ
不動産を信託した場合は、名義を受託者に移す信託登記(不動産が信託財産になったことを登記簿に記録する手続き)を、当事務所の司法書士が申請します。
預貯金は、口座のまま信託することはできません。いったん払い戻したお金を、受託者が管理する信託口口座(信託のお金を受託者個人のお金と分けて管理するための口座)に移します。信託口口座を取り扱っていない金融機関もあり、開設できるかどうかは金融機関の審査によります。当事務所では、契約内容を固める前の段階から金融機関と打ち合わせを行い、口座を開くための準備を進めます。
家族信託を始めた後のメンテナンス
家族信託を始めると、受託者になったご家族が何年にもわたって財産を管理していきます。始めた後も、管理の進め方などについてのご相談に対応します。始めた後のご相談の費用は、基本報酬とは別にお見積りします。
ご相談から家族信託を始めるまでの流れ
ご相談から家族信託の開始までは、次の5つのステップで進みます。かかる期間は、財産の内容や金融機関との調整によって変わります。
- お問い合わせ・ご相談の予約
お電話・メール・LINEでご連絡ください。面談の日時を決めます。ご相談には、委託者になるご本人と一緒にお越しください。事務所での面談のほか、ご本人にも画面越しに参加していただく形で、オンラインでのご相談もできます。
- 面談で目的と財産を確認
ご本人の希望、財産の内容、受託者になるご家族の候補をうかがいます。家族信託・遺言・任意後見のどれが合うかをご説明し、家族信託を進める場合はお見積りをお出しします。
- ご依頼・契約内容の設計
ご依頼をいただいたら、必要な証明書や戸籍を集め、契約の内容を設計します。信託口口座を開く金融機関や公証役場には、契約内容を固める前の段階で確認を入れます。契約書の案は、ご本人と受託者になるご家族に確認していただきながら仕上げます。
- 公証役場で信託契約を結ぶ
ご本人と受託者になるご家族が公証役場へ行き、公正証書で信託契約を結びます。公証人との打ち合わせは当事務所が行い、当日も立ち会います。
- 信託登記・信託口口座の開設と管理の開始
当事務所が不動産の信託登記を申請し、受託者になるご家族が金融機関で信託口口座を開きます。財産が受託者に移ったら、受託者による管理が始まります。
手続きの流れや必要な書類をもう少し詳しく知りたい方は「家族信託の手続きと流れ」をご覧ください。
家族信託の費用
当事務所の報酬は、家族信託サポートの基本報酬、信託契約書の作成費用、信託登記の費用の3つで構成されます。このほかに、公証人の手数料や登録免許税などの実費がかかります。金額はすべて税込です。
当事務所の報酬(税込)
家族信託サポートの基本報酬(信託の設計、書類の収集、公証役場への立会い、金融機関との打ち合わせを含みます)は、信託する財産の評価額に応じて計算します。不動産の評価額には固定資産税評価額を使います。評価額を区分に分け、それぞれの部分に料率を掛けて合計します。
| 信託財産の評価額 | 料率(税込) |
|---|---|
| 1億円以下の部分 | 1.1% |
| 1億円を超え3億円以下の部分 | 0.55% |
| 3億円を超え5億円以下の部分 | 0.33% |
| 5億円を超え10億円以下の部分 | 0.22% |
| 10億円を超える部分 | 0.11% |
| 最低額 | 33万円(自社株の信託は110万円) |
評価額が3,000万円以下の場合は、最低額の33万円です。評価額ごとの計算例は次のとおりです。
| 信託財産の評価額 | 計算 | 基本報酬(税込) |
|---|---|---|
| 5,000万円 | 5,000万円×1.1% | 55万円 |
| 2億円 | 1億円×1.1%+1億円×0.55% | 165万円 |
| 4億円 | 1億円×1.1%+2億円×0.55%+1億円×0.33% | 253万円 |
基本報酬とは別に、次の費用がかかります。
| 項目 | 単位 | 報酬(税込) |
|---|---|---|
| 信託契約書の作成 | 1契約 | 11万円〜 |
| 信託登記 | 不動産1物件 | 11万円〜 |
費用のモデルケース
自宅(評価額3,000万円)と現金2,000万円、あわせて約5,000万円を信託する場合の報酬は、次のとおりです。受益者連続型などの加算がない場合の例です。
| 項目 | 報酬(税込) |
|---|---|
| 家族信託サポートの基本報酬 | 55万円 |
| 信託契約書(公正証書)の作成 | 11万円 |
| 信託登記(自宅1物件) | 11万円 |
| 報酬の合計 | 77万円 |
このほかに、次の「報酬のほかにかかる費用」でご説明する実費がかかります。
報酬のほかにかかる費用
- 実費
公証人の手数料、信託登記の登録免許税、証明書や戸籍の取得費用など。財産の内容や評価額によって変わるため、お見積りの際にご案内します
- 税理士の費用
相続税の試算や申告などを提携税理士に依頼する場合にかかります
- 始めた後の費用
信託を始めた後のご相談、信託の内容の変更、信託を終わらせるときの手続きなどは、基本報酬に含まれません。その時点で別途お見積りします
- 出張の日当
ご自宅や施設へ伺う場合にかかります。半日27,500円、1日55,000円(税込)
お見積りは、面談でご本人の希望と財産の内容をうかがったうえでお出しします。信託する財産の種類や不動産の数、契約の内容によって金額が変わるため、ご依頼の前に総額をご確認いただけます。
費用のお見積りもご相談ください
信託したい財産の内容をうかがい、報酬と実費を含めたお見積りをお出しします。ご本人と一緒に、事務所またはオンラインでご相談いただけます。
ご相談の前に準備していただきたいこと
ご相談の前に準備していただきたいのは、委託者になるご本人と一緒に来ていただく段取りと、簡単なメモの2つです。書類がすべてそろっていなくても、ご相談いただけます。
家族だけで相談に行ってもいい?
ご相談には、委託者になるご本人と一緒にお越しください。家族信託は、ご本人が自分の財産を、誰に、何のために任せるかを決める契約です。ご本人の希望を直接うかがわなければ、契約の内容を設計できません。
ご家族が「親のためにこうしたい」と考えていても、ご本人の考えが違うこともあります。最初の面談からご本人にお話をうかがうことで、ご本人の意思に沿った家族信託を設計できます。契約を結ぶときには、公証人もご本人の意思を確認します。
ご本人が事務所へ来るのが難しい場合は、ご本人にも画面越しに参加していただく形で、オンラインでご相談いただけます。ご自宅や施設へ伺うこともできます(出張の日当がかかります)。ご本人に相談の話をどう切り出すか迷うときは、「財産をこれからどうしたいか、専門家に一緒に聞いてもらおう」と、ご本人の希望を話す場として誘ってみてください。
メモしておくと相談がスムーズになること
次のことをメモしておくと、最初の面談で具体的なお話ができます。
- ご本人の希望(どの財産を、誰に、どうしてほしいか)
- 財産のおおまかな内容(不動産の所在地、預貯金のおおよその額、賃貸物件の有無など)
- 将来売る予定のある不動産
- 受託者になってほしいご家族の候補
固定資産税の課税明細書や不動産の権利証などがお手元にあれば、お持ちいただくと財産の内容を確認しやすくなります。ご相談料は30分5,500円(税込)です。
家族信託の相談についてよくあるご質問
はい、ご相談いただけます。ご本人の希望と財産の状況をうかがい、家族信託・遺言・任意後見のどれが合うかを整理します。家族信託でなくても目的をかなえられる場合は、そのことをお伝えします。
診断名だけでは決まりません。ご本人が契約の内容を理解し、自分の意思で決められる状態であれば、家族信託を始められる場合があります。判断能力が失われた状態になった後は新しく始めることはできず、成年後見制度の利用を検討することになります。物忘れが気になり始めた段階で、早めにご相談ください。
ご相談には、委託者になるご本人と一緒にお越しください。家族信託は、ご本人が自分の財産を誰に何のために任せるかを決める契約のため、ご本人の希望を直接うかがう必要があります。事務所へ来るのが難しい場合は、ご本人にも画面越しに参加していただくオンライン相談や、ご自宅・施設への出張(日当がかかります)もご利用いただけます。
信託した財産を自分の財産と分けて管理し、契約で決めた目的に沿って使ったり売却したりします。あわせて、お金の出入りを記録し、受益者に報告します。管理が何年も続くこともあるため、引き受けるご家族の負担も考えて契約の内容を設計します。
はい、かかります。公証人の手数料や登録免許税、証明書の取得費用などの実費が別途必要です。また、信託を始めた後のご相談、信託の内容の変更、信託を終わらせるときの手続きなどは基本報酬に含まれず、その時点で別途お見積りします。
できます。たとえば、自宅は家族信託で管理を任せ、信託に入れない財産は遺言で行き先を決め、介護や施設との契約といった生活面の手続きは任意後見で備える、という組み合わせ方があります。どの制度をどう組み合わせるかは、ご本人の希望と財産の内容をうかがったうえでご提案します。
ご相談料は30分5,500円(税込)です。事務所での面談のほか、オンラインでもご相談いただけます。ご相談の際は、委託者になるご本人と一緒にお越しください。
神戸で家族信託の相談をお考えの方へ
家族信託は、ご本人の希望を形にするための仕組みです。司法書士事務所神戸リーガルパートナーズでは、家族信託ありきで話を進めず、遺言や任意後見も含めて、ご本人とご家族に合う方法を一緒に考えます。「まだ必要かどうか分からない」という段階でも、ご本人と一緒にご相談ください。
事務所は神戸市中央区磯辺通にあります(〒651-0084 兵庫県神戸市中央区磯辺通3-1-2-701)。事務所へのご来所が難しい方は、オンラインでのご相談や、ご自宅・施設への出張もご利用いただけます。
家族信託のご相談・お見積りのご予約
お電話・メール・LINEのいずれかでご連絡ください。ご相談料は30分5,500円(税込)です。
オンライン相談・出張相談にも対応しています