神戸で合同会社の設立をお考えの方へ。合同会社は、株式会社より設立費用を抑えやすく、少人数・小規模での運営に向いた会社形態です。「株式会社と何が違うのか」「費用はいくらかかるのか」「自分で作れるのか、司法書士に頼むべきなのか」——このページでは、合同会社設立の費用・流れ・必要書類・株式会社との違い・自分でできるかの判断材料までを、神戸で会社設立登記を扱う司法書士・行政書士がまとめて整理します。
合同会社にすべきか株式会社にすべきか迷っている段階からでも、お電話(078-262-1691)またはお問い合わせフォームでご相談いただけます。事業の内容に合った会社の作り方から一緒に考えます。
合同会社とは
合同会社とは、平成18年施行の会社法によって新しく設けられた会社形態です。株式会社が「資本(お金)を中心とする会社」とされるのに対し、合同会社は人的な信頼関係を基礎とする「人が中心の会社」とされています。出資した人がそのまま経営者になるため、所有と経営が一致しており、少人数・小規模での運営に向いています。
ここで注意したいのが、合同会社でいう「社員」という言葉です。合同会社の「社員」は、いわゆる従業員のことではなく、会社に出資して経営に関わる人(株式会社でいう株主兼役員に近い立場)を指します。従業員を雇っていなくても、出資者が1人いればその人が「社員」です。従業員の人数ではなく、出資して経営に関わる人が「社員」だと考えてください。
合同会社は、社員全員が「有限責任」しか負わない点も大きな特徴です。会社が負債を抱えても、社員が責任を負うのは出資した金額の範囲までで、個人の財産すべてで無限に責任を負うわけではありません。同じ「人が中心の会社」でも、社員が無限責任を負う合名会社や、無限責任社員と有限責任社員が混在する合資会社とは、この点で異なります。
さらに合同会社は、定款で定めることによって、利益の配分や会社の意思決定のしくみを比較的自由に設計できます。出資額の大小にかかわらず利益配分や発言権を決められるなど、内部自治の自由度が高いことも、株式会社にはない魅力です。
合同会社と株式会社の違い
合同会社を検討するとき、多くの方がまず気になるのが「株式会社と何が違うのか」という点です。主な違いを表に整理します。どちらが優れているというより、事業の目的や規模、将来の展望に合わせて選ぶものだと考えてください。
| 比較項目 | 合同会社 | 株式会社 |
|---|---|---|
| 設立費用 | 抑えやすい(定款認証が不要) | 合同会社より高め |
| 登録免許税(最低額) | 6万円 | 15万円 |
| 定款認証 | 不要 | 必要(公証役場での認証手数料がかかる) |
| 所有と経営 | 一致(出資者が経営者) | 分離できる(株主と役員を分けられる) |
| 意思決定・利益配分 | 定款で自由に設計しやすい | 原則として出資割合に応じる |
| 役員の任期 | 任期の定めなし | 原則あり(重任登記が必要) |
| 決算公告 | 不要 | 必要 |
| 対外的な信用・知名度 | 株式会社よりは浸透していない面がある | 広く認知されている |
| 資金調達(株式発行) | できない | 株式による調達がしやすい |
| 向いているケース | 少人数・小規模、費用を抑えたい、内部自治を柔軟にしたい | 対外的な信用を重視、出資者以外の人を役員に迎えたい、将来的な増資・上場を見据える |
費用と手続きの手軽さでは合同会社が有利ですが、取引先や金融機関からの見られ方、将来の資金調達のしやすさでは株式会社が有利な場面もあります。合同会社から株式会社へ組織変更することもできるため、まずは合同会社で小さく始め、事業が軌道に乗ってから株式会社にするという進め方も選択肢の一つです。株式会社と比較して検討したい方は、株式会社の設立手続きのページもあわせてご覧ください。
合同会社はどんな人・事業に向いているか
合同会社は「人が中心の会社」であるため、大きな資本力よりも、人の技術力・ノウハウ・アイデアを活かす事業に向いているとされています。具体的には、次のような方に選ばれています。
- 1人または家族・少人数で小さく起業したい方(「合同」でも1人で設立できます)
- 株式会社より費用を抑えて法人化したい方
- 副業や個人事業を法人化したい方
- 異なる技術・ノウハウを持つ人たちが共同で事業を行う場合
- 利益配分や意思決定のしくみを、出資額にとらわれず柔軟に決めたい方
一方で、株式を発行して広く資金を集めたい場合や、対外的な信用・知名度を特に重視する事業では、株式会社のほうが向いていることもあります。どちらが自社に合うか迷う場合は、事業内容をふまえてご相談ください。
合同会社設立でまず決めること
設立手続きに入る前に、会社の基本的な事項を決めておく必要があります。これらは定款や登記の内容に直結するため、早い段階で整理しておくとスムーズです。
| 決めること | ポイント |
|---|---|
| 商号(会社名) | 「合同会社」の文字を必ず入れる。使用できない文字や、類似商号への配慮も必要。 |
| 本店所在地 | 会社の住所。定款には最小行政区画(市区町村)まで記載すれば足りる。 |
| 事業目的 | 行う事業の内容。許認可が必要な業種では、目的の書き方が許可の可否に影響するため特に重要。 |
| 資本金 | 1円から設定できるが、事業の信用や運転資金を考えて決める。 |
| 社員(出資者) | 出資して経営に関わる人。1人でも可。 |
| 代表社員 | 会社を代表する社員。定款または社員の互選で選ぶ。 |
| 事業年度(決算期) | 1年以内で自由に設定できる。 |
特に事業目的は、後から許認可を取る予定がある場合に注意が必要です。建設業・宅建業・古物商などでは、事業目的の記載や資本金・事務所の要件が許可に関わるため、設立前に確認しておくことをおすすめします。
合同会社設立の流れ
合同会社設立の一般的な流れは次のとおりです。株式会社と最も違うのは、公証役場での定款認証が不要な点で、その分だけ手続きと費用が軽くなります。
- 基本事項の決定・相談
商号、本店所在地、事業目的、資本金、社員、代表社員、事業年度などの基本事項を決めます。許認可が必要な事業や、外国人・外国会社が関わる場合は、この段階で確認しておくと、あとの手続きが落ち着いて進められます。
- 定款の作成
社員が定款を作成し、署名または記名押印します。定款には必ず記載しなければならない絶対的記載事項(目的・商号・本店の所在地・社員の氏名や住所・社員全員が有限責任である旨・出資の目的や価額など)があります。合同会社は公証人の認証が不要なので、作成後すぐ次に進めます。
- 出資の払込み
社員が定款で定めた出資額を払い込みます。銀行口座への振込みなどで、払込みがあったことを確認できるようにします。
- 必要書類の作成・代表社員の選任
代表社員を選任し、就任承諾書や払込証明書、印鑑届書など、登記申請に必要な書類を作成します。
- 法務局へ登記申請
本店所在地を管轄する法務局に設立登記を申請します。登記を申請した日が、会社の設立日になります。希望する設立日がある場合は、その日に申請できるよう逆算して準備します。
- 登記完了・設立後の手続き
登記が完了すると会社が正式に成立します。登記事項証明書や印鑑証明書を取得し、税務署などへの届出や銀行口座の開設といった設立後の手続きに進みます。
書類が整っていれば、申請から登記完了までは法務局の混み具合にもよりますがおおむね1週間前後が目安です。準備段階を含めた全体では、内容にもよりますが2〜3週間程度をみておくとよいでしょう。急ぎの設立日がある場合は、早めにご相談ください。
合同会社設立に必要な書類
合同会社設立の登記で一般的に必要となる主な書類は次のとおりです。事業の内容や社員の構成によって、追加の書類が必要になる場合があります。
- 定款
- 代表社員の就任承諾書(定款で代表社員を定めていない場合など)
- 払込みがあったことを証する書面(払込証明書)
- 印鑑届書
- 代表社員の印鑑証明書
- 本人確認書類
- 資本金の額の計上に関する証明書(現物出資がある場合など)
外国人・海外在住者や外国会社が社員に関わる場合は、印鑑証明書に代わるサイン証明(署名証明)や宣誓供述書など、追加の書類が必要になることがあります。詳しくは外国人・外国会社の会社登記のページもご確認ください。
合同会社設立の費用と司法書士報酬
合同会社設立にかかる費用は、大きく分けて「法定費用(登録免許税・定款の印紙代)」と「司法書士に依頼する場合の報酬」です。株式会社と違い定款認証の手数料がかからないため、法定費用を抑えられるのが合同会社の利点です。
| 費用の種類 | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 6万円〜 | 資本金額の0.7%。計算額が6万円未満の場合は最低6万円。 |
| 定款の印紙代 | 0円 または 4万円 | 電子定款なら0円。紙の定款は収入印紙4万円が必要。 |
| 定款認証手数料 | 0円 | 合同会社は認証不要のため不要。 |
| 司法書士報酬 | 10万円(税別)〜 | 当事務所の場合。事案により変動。 |
当事務所では電子定款で作成するため、紙の定款で必要な印紙代4万円を抑えられます。このほか、登記事項証明書や印鑑証明書の取得費用が別途かかります。資本金の額や事業の内容によって総額は変わるため、正確な費用はお見積りの際にご案内します。
神戸市の特定創業支援等事業による証明を受けると、会社設立時の登録免許税が軽減される場合があります。適用の要件や受付状況は変わることがあるため、利用を検討する場合は最新の公式情報でご確認ください。
合同会社は自分でできる?司法書士に相談した方がよい場合
合同会社は株式会社より手続きがシンプルなため、1人で・シンプルな事業内容で・急ぎでなければ、ご自身で設立することも十分可能です。法務局のひな型やクラウドサービスを使って自分で作る方もいます。まずはその点を正直にお伝えしておきます。
一方で、次のようなケースでは、司法書士に相談・依頼するメリットが大きくなります。
- 設立を急いでいる、希望する設立日がある
- 登記の補正(やり直し)や不備を避けたい
- 建設業・宅建業・古物商など、許認可が必要な事業を予定している
- 外国人・海外在住者・外国会社が社員に関わる
- 社員が複数いる、利益配分や意思決定のしくみを工夫したい
- 事業目的や資本金の決め方を相談したい
- 設立後の変更登記(本店移転・社員変更など)も見据えている
自分で進めると、書類の不備で法務局から補正を求められ、かえって時間がかかることもあります。神戸リーガルパートナーズでは、司法書士業務として設立登記に対応し、許認可や在留資格が関わる場合は行政書士業務としての確認にもつなげられます。会社設立全体の流れは会社設立全体のご案内もご覧ください。
合同会社設立後に必要な手続き
登記が完了して会社が成立した後も、事業を始めるために次のような手続きが必要です。主なものは次のとおりです。
- 税務署への法人設立届出書・青色申告の承認申請などの提出
- 都道府県税事務所・市区町村への届出
- 社会保険(健康保険・厚生年金)の加入手続き。役員だけの会社でも加入が必要になる場合がある
- 従業員を雇う場合の労働保険(労災保険・雇用保険)の手続き
- 法人名義の銀行口座の開設
- 事業に必要な許認可の取得
このうち、税務署への届出や決算・税務申告は税理士、社会保険・労働保険は社会保険労務士が専門とする分野です。会社設立の登記とあわせて、設立後に何をすべきかも早めに整理しておくと安心です。
外国人・許認可が関わる合同会社設立
外国人の方や許認可が必要な事業で合同会社を設立する場合は、通常の設立に加えて確認しておきたい点があります。
まず、会社を設立する登記手続きと、外国人が日本で経営するための在留資格は、まったく別の手続きです。会社を設立したからといって、それだけで在留資格が得られるわけではありません。在留資格「経営・管理」については、資本金や雇用などの要件が定められており、2025年10月16日施行の基準改正で内容が大きく変わっています。準備を始める際は最新の要件を確認する必要があるため、詳しくは外国人経営者等の在留資格のページや、外国人個人の会社設立のページをご覧ください。
また、建設業・宅建業(不動産業)・古物商などの許認可が必要な事業では、事業目的の記載、役員(社員)の要件、資本金、事務所の要件などが、設立後の許可取得に影響します。設立してから要件を満たしていないと分かると、やり直しになることもあります。建設業の会社設立、不動産業(宅建業)の設立から許可、古物商の設立から許可申請など、許認可を見据えた設計は設立前のご相談をおすすめします。
よくある質問
法定費用として登録免許税が最低6万円かかります。紙の定款の場合は印紙代4万円が加わりますが、電子定款なら0円です。合同会社は定款認証が不要なので、株式会社より費用を抑えられます。司法書士に依頼する場合は、これらに報酬(当事務所は10万円・税別〜)が加わります。
可能です。合同会社は株式会社より手続きがシンプルで、1人・シンプルな事業内容・急ぎでなければ自分で設立する方もいます。ただし、許認可が必要な事業、外国人・外国会社が関わる場合、社員が複数いる場合、急ぎの設立日がある場合などは、補正や手戻りを避けるためにも司法書士への相談をおすすめします。
当事務所の合同会社設立の報酬は10万円(税別)〜です。これに登録免許税(最低6万円)などの法定費用が加わります。当事務所では電子定款で作成するため、紙の定款で必要な印紙代4万円を抑えられます。事案の内容によって変わるため、正確な金額はお見積りの際にご案内します。
主な違いは、設立費用(合同会社は定款認証が不要で安い)、所有と経営(合同会社は出資者が経営者)、対外的な信用や資金調達のしやすさ(株式会社が有利な面がある)などです。合同会社は少人数・小規模で費用を抑えたい方に、株式会社は信用や将来の増資を重視する方に向いています。本文の比較表もご覧ください。
できます。「合同」という名称ですが、社員(出資者)が1人でも設立できます。1人で小さく起業したい方にも合同会社は選ばれています。
定款、代表社員の就任承諾書、払込証明書、印鑑届書、代表社員の印鑑証明書、本人確認書類などが基本です。現物出資がある場合や、外国人・外国会社が社員に関わる場合は、追加の書類(サイン証明・宣誓供述書など)が必要になることがあります。
書類が整っていれば、法務局への申請から登記完了まではおおむね1週間前後が目安です。基本事項の決定や書類準備を含めた全体では、内容にもよりますが2〜3週間程度をみておくとよいでしょう。希望する設立日がある場合は、逆算して早めに準備します。
不要です。株式会社は公証役場での定款認証が必要ですが、合同会社は認証が不要で、その分の手数料もかかりません。ただし、定款そのものの作成は必要です。
資本金額の0.7%で、計算額が6万円未満の場合は最低6万円です。株式会社の最低15万円と比べて低く設定されています。神戸市の特定創業支援等事業による軽減が使える場合もあるため、利用を検討する場合は最新の公式情報をご確認ください。
税務署への法人設立届出、都道府県税事務所・市区町村への届出、法人名義の銀行口座開設、社会保険(健康保険・厚生年金)の加入手続き、従業員を雇う場合の労働保険の手続き、事業に必要な許認可の取得などが必要です。社会保険は役員だけの会社でも加入が必要になる場合があります。税務は税理士、社会保険・労働保険は社会保険労務士が専門とする分野です。
外国人の方も合同会社を設立できます。ただし、会社を設立する登記手続きと、日本で経営するための在留資格は別の手続きです。会社を作れば在留資格が得られるわけではありません。在留資格「経営・管理」は2025年10月16日施行の基準改正で要件が変わっているため、最新の情報を確認する必要があります。印鑑証明書に代わるサイン証明などの追加書類が必要になる場合もあります。
作れます。ただし、建設業・宅建業・古物商などの許認可が必要な事業では、事業目的の記載、社員・役員の要件、資本金、事務所の要件などが許可の可否に影響します。設立後に要件を満たしていないと分かると手戻りになるため、設立前に許認可を見据えて設計することをおすすめします。
